弱った体がよみがえる! 「亜鉛」健康法
弱った体がよみがえる! 「亜鉛」健康法
今、なぜ亜鉛が注目を浴びているのでしょうか。健康な生活を送るためには必要不可欠であるにもかかわらず、日本人に不足している栄養素の「亜鉛」。亜鉛は、16種類ある栄養素として重要なミネラルの仲間です。元素あるいは金属のイメージが強いですが、栄養素としても重要なのです。
栄養素としての亜鉛について考えてみましょう。生命活動を行なうためには、エネルギーが必要となります。そのエネルギー源となるのが炭水化物、脂質、たんぱく質の三大栄養素。この三大栄養素のエネルギー代謝を円滑に行なうために欠かせないものが、ビタミンとミネラルです。三大栄養素と比べて、必要量がわずかなので、微量栄養素と呼ばれています。
これらの栄養素はたくさん摂ればよいというわけではありません。栄養素はバランスよく摂取することが大切になります。特定の栄養素を多く摂りすぎると過剰症になり、少なすぎると欠乏症におちいります。すべての栄養素を必要量摂ることは簡単ではありませんが、できるだけ多くの食材を食べるようにすると、栄養素のバランスが自然と取れてくるものです。本書では、今まであまり語られなかった亜鉛を易しく解説しながら、管理栄養士の宗像伸子氏に、亜鉛を効率よく吸収するレシピを紹介していただきました。
ビタミンは13種類あり、ほかの栄養素の吸収や代謝を助けたり、皮膚や血管などの健康に貢献しています。一方、ミネラルは体の機能を正常に保つはたらきをしながら骨や血液などの材料となっています。いずれも大切なものですが、「ビタミン不足にならないよう野菜をとるようにしている」など、ビタミンに対する関心は非常に高いのに対し、ミネラルには無頓着な人が多いように感じます。だからなのか、ビタミンもミネラルも体内で合成できないため食事から摂取しなければなりませんが、日本人の食事はミネラル不足におちいりやすく、ミネラル不足の方が急増しているのです。
さて、本書のテーマは「亜鉛」。人間の体内にとって必要不可欠な「必須ミネラル」の一つです。そして亜鉛は、体にわずかしか存在していませんが、体のあらゆる場所で様々にはたらき、生命維持のために大事な役割を担っています。
亜鉛不足からおこる症状も様々です。生殖機能障害が亜鉛不足によってもおこることが、亜鉛が注目された先駆けともいえますが、最近では、味覚障害がよく知られるようになりました。味覚を感じるのは、舌にある味蕾(みらい)の中の味(み)細胞から味覚神経を通して脳にある味覚中枢へ情報が送られるためです。味細胞は短いターンオーバーで生まれかわりますが、その際に亜鉛が必要となります。亜鉛が不足すると、味細胞が再生しないために、「味がわからない」「本来の味とは違う」などの味覚障害がおきてきます。
また、亜鉛は皮膚や髪の毛のもとになるたんぱく質の合成に関わっており、亜鉛が不足すると、肌荒れや髪のぱさつきなどがおこります。さらに亜鉛は、たんぱく質から新しい細胞を作るために必要となり、たんぱく質と一緒に摂ることで新陳代謝がよくなり、免疫力を上げることで風邪など感染症の予防効果が期待されています。
自分の健康は自分でしっかり管理しなくてはならない時代となりました。本書を通じて亜鉛に関心をもち、元気に長生きする第一歩にしていただきたいと思います。 (「はじめに」より)
著者:栗原 毅
縦:21×横:14.8 全頁数:128ページ
重量184g厚さ0.9cm
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