一生自分の足で歩ける! 「最強の土踏まず」のつくり方
一生自分の足で歩ける! 「最強の土踏まず」のつくり方
■あなたの足に「土踏まず」はありますか?
世界トップレベルの長寿国である日本。厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況」によれば、平均寿命は男性が81.64年、女性が87.74年となっていて、この先もしばらくは延び続けるでしょう。
では、「健康寿命」という言葉をご存じでしょうか。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」。
つまり、心身ともに健やかで、自立した生活を送ることができる期間です。
健康寿命に関しても日本は世界トップクラスで、令和元年時点では、男性が72.68年、女性が75.38年です。
平均寿命と健康寿命をくらべると前者のほうが長く、その差は男性が約9年、女性は約12年。これが何を意味するかというと、「健康上の問題で日常生活が制限される期間」が男性で9年、女性は12年もあるということです。誰かのサポートがなければ日常生活が送れない、あるいは「寝たきり」の状態で毎日を過ごすことになるかもしれません。
せっかく寿命が延びたのに、最後の約10年を自分の思い通りに生きられないというのは、とても残念なことです。なんとか健康寿命を延ばして、人生の幕を下ろすその日まで、自分らしく楽しく生きたい、誰もがそう願っているのではないでしょうか。
健康寿命を延ばすための鍵を握っているのが、「歩くこと」です。歩くことで血液の循環が促され、筋肉や関節の衰えを食い止められるからです。
では、いつまでも元気に歩くためには何が必要なのでしょう。膝や股関節がスムーズに動くこと、腰に痛みがないこと……? それらも間違いではありませんが、何より必要なのは、足の健康です。足が健康であれば、膝や腰、股関節などに生じるトラブルの多くを避けることができるのです。
自己紹介が遅くなりました。私は、足に特化した医療を行なっている「足の専門医」です。足の専門医、日本ではまだまだ珍しい存在ですが、欧米諸国には「足病医学」というものがあり、「足病専門医」の存在もよく知られています。
日本に足病医学が根付いていないのは、長い間、靴を履く習慣がなかったからだと言われています。医学界では今でも、足の健康に対する意識が低いのが現状です。
現実には、足の痛みに苦しんでいる人がたくさんいます。しかし、足が痛くても何科を受診すればいいのかわからなかったり、皮膚科や整形外科に行って治療を受けても、なかなか痛みや不具合から解放されない。それで、「歳をとったのだから、足が痛くてもしょうがない」とあきらめている人も少なくないのではないでしょうか。
私がクリニックを開院して驚いたのは、まさにそのことでした。たとえば、足にタコやウオノメができ、ズキズキ痛んで歩くのがつらくても、「タコやウオノメなんて病気じゃないから」と放っておいて、いよいよ我慢できないほど痛みが強くなって、クリニックにいらっしゃるのです。
外反母趾になって関節がひどく変形していても「命に関わらないから」と治療を受けず、患部が当たらないような大きな靴を履きながら、なんとかやり過ごしている人もいらっしゃいます。
しかし、足が痛いのは「しょうがない」ことではありません。「タコやウオノメなんて」ではなく、タコもウオノメも、関節の変形もれっきとした足のトラブルです。
足の病気がやっかいなのは、問題が足だけにとどまらず、膝や股関節、腰などにもダメージを与えることです。
詳しくは本文で述べますが、足は体の土台であり、家にたとえるなら基礎です。基礎がしっかりしていなければ家が倒れてしまうように、足の健康が損なわれると全身の骨格構造がゆがみ、膝や腰、肩など全身にトラブルを引き起こします。高齢になれば、それが「寝たきり」につながる恐れもあるのです。
「人生100年時代」と言われます。いつでも、いつまでも元気に歩くために、ぜひ足の健康に意識を向けていただきたいと思います。
そこでポイントは「土踏まず」です。あなたの足には土踏まずがありますか?
足のトラブルの多くは、土踏まずがつぶれてなくなってしまうことから始まります。土踏まずの存在なくして元気な足をつくることはできません。
本書では、足の健康を守る知識をお伝えするとともに、土踏まずを強化するためのストレッチと筋力トレーニングによるセルフケアの方法をご紹介します。
足のケアは、何歳から始めても遅くはありません。ケアをすればしただけ足は健康に向かいます。ぜひ習慣にして、「一生歩ける足」を手に入れてください。本書はきっと、そのお役に立てるはずです。 (「はじめに」より)
著者:桑原 靖、久保和也
縦:30.3×横:22.6 全頁数:144ページ
重量534g厚さ1.1cm
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