糖尿病 ヘモグロビンA1cを下げる! 1回1分 寝ながら「降糖」ストレッチ
糖尿病 ヘモグロビンA1cを下げる! 1回1分 寝ながら「降糖」ストレッチ
健康診断で「血糖値が少し高めですね」と指摘されても、「ああ、そうですか」という程度の反応で、そのまま放置してしまう人が少なくありません。糖尿病の前段階の境界型(高血糖)の時期であればセルフケアで改善できるのに、これといった対応をせずにやりすごしてしまう人の多いことが、本当に残念でなりません。
高血糖が放置されがちな最大の理由は、自覚症状がほとんどないことでしょう。体のどこかに痛みを感じたり、急に体重が減ったりすれば、「これは放っておけないぞ」という危機感がわいてきます。しかし、血糖値が高いだけでは、表面的には何の症状も表れません。そのため、自分が深刻な病気の前段階である、という自覚を持つことがなかなか難しいのです。
全国的に糖尿病およびその予備群の方が多いことも、逆に病気の深刻さを薄めている印象があります。日本では、糖尿病の人は約1000万人で、境界型の予備群を含めると約2000万人と推計されています。この数値を聞いて「大変だ!」と思う人もいるでしょうが、一方で「そんなにポピュラーな病気なら、特に心配することもないか」と考えてしまう人も少なくないと思うのです。実際に、糖尿病と診断された日に、「ついに糖尿病の仲間入り」と、笑いながら自慢気に話している声を耳にしたことがあります。
さらに、運動療法と食事療法が改善策の基本とされていることも、高血糖を軽く考える要因になっているのかもしれません。「運動と食事で治るのなら大した症状じゃない」「糖尿病になったら病院へ行って治してもらおう」といった感じでしょうか。
しかし、それは大きな勘違いです。糖尿病になってしまったら、完全に治す薬はありません。血糖値をコントロールしたり、合併症を治療したりする対症療法はあっても、糖尿病そのものを治す薬はないのです。
だからこそ、運動療法と食事療法を2本の柱としたセルフケアで対応していくことが、高血糖や糖尿病の治療の基本となっているのです。
糖尿病の怖さを充分に知っていただくために、血糖値の高い状態が長期間続くことがいかに全身に悪い影響を及ぼし、それが命に関わる重大なダメージであることを、PART1で詳しく紹介します。
それでも、糖尿病の前段階である高血糖の時期に、適切な対応をすれば、糖尿病に進むことを食い止めることは可能です。そのためには、前述したように運動療法と食事療法が2つの大切なポイントとなります。
運動習慣のない人が、自覚症状もないのに運動を続けるのは、なかなか難しいことでもあります。健康診断で高血糖を指摘され、一念発起してウォーキングなどに取り組んではみたものの、「三日坊主」で終わってしまったという経験のある人も多いことでしょう。
そこで本書では、改まって運動するというよりも、食後や家事の合間などに気軽にできる『寝ながら「降糖」ストレッチ』を紹介しています。どれも簡単にでき、ストレスなく長く続けることができます。さらに、PART3で紹介する食事やストレス対策をはじめとする生活習慣の改善を行ないながらストレッチに取り組めば、血糖値は良化することでしょう。
すでに糖尿病の人は、主治医と相談のうえ、無理のない範囲で行なうと、血糖値のコントロールを良好にしたり、高齢の方なら筋力の低下を防いだりするうえでも役立ちます。
なお、糖尿病は発症原因によって「1型糖尿病」と「2型糖尿病」の2つに大別できます。1型糖尿病は、自分の免疫が変調をきたして膵すい臓ぞうを障害し、インスリンの分泌を大幅に低下させてしまう自己免疫疾患と考えられています。インスリンの分泌がほとんどなくなるため、定期的に注射でインスリンを補っていくことが治療の中心となります。これに対して2型糖尿病は、長年の生活習慣が大きく影響します。特に食べすぎ、運動不足、肥満などが引き金となる場合が多いのが特徴です。
本書で使用している「糖尿病」という語は、基本的には2型糖尿病を指しています。しかし、1型糖尿病の人も、インスリンの治療と併せて「降糖」ストレッチを行なうと、血糖値のコントロールを良好に保つうえで役に立つはずです。低血糖に陥らないように注意しながら継続してみてください。
本書の内容が、糖尿病の増加、ひいては糖尿病の重症化を食い止める一助になれば、とてもうれしく思います。 (「はじめに」より)
著者:板倉弘重
縦:25.7×横:18.2 全頁数:120ページ
重量248g厚さ0.9cm
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