子どもの自己肯定感は親のひと言で決まる!
子どもの自己肯定感は親のひと言で決まる!
自己肯定感は、近年とても注目されている言葉です。「わが子を自己肯定感の高い子にしてあげたい」と考える親御さんも大変増えています。
ところでこの自己肯定感ってどういうものでしょう? そう質問すると、老若男女問わず「自分に自信がもてること」「自分をありのままでいい、と認められること」「自分を好きでいられること」という答えが返ってきます。
確かに、自分を好きになり、大切にできることは大事ですよね。でも小児科医として長く臨床を経験し、発達脳科学研究者としても活動してきた私からすると、この答えでは不十分です。
何が不十分なのかをわかっていただくために、私が見かけたエピソードをひとつご紹介しましょう。
ある日の電車の中でのこと。同じシートに某私立小学校の制服を着た低学年の男の子とお母さんが座っていました。次の駅に着くと、同級生と思しき女の子とお母さんが乗ってきました。その瞬間、男の子のお母さんがすっと立ち上がり、空いた席にはあとから乗ってきた女の子が無言で、当り前のような顔をして座ったのです。
ふんぞり返ってマンガを読む子どもたちを前に、母2人は子どもの分の荷物まで持ちながら、「宿題、ちゃんと入れた?」「あ、下書き消しゴムで消すの忘れてたね!」「水筒ここに入れるからね」と甲斐甲斐しく世話を焼きっぱなし。子どもたちは母の言葉などガン無視で、顔を見ようともしません。結局電車を降りるまでこの調子でした。
さて。この子たちは、間違いなく「自分大好きな人」になるでしょう。だって「自分は王様・女王様」として大切にされているのですから、自分は大事、自分は大切と思わないわけはありません。
では、彼・彼女が成長したとき、果たして「自己肯定感の高い人」になっているでしょうか? 「そう思わない」と首を横に振った方、どうしてそう思いますか?
この子たちが獲得する「自分大好き」は、自己肯定感と言われているものとは違うと感じた方は正解です。
では、本物の自己肯定感とはどういうものか、そして本物の自己肯定感をもつ子どもに育ててあげるにはどうしたらいいか、何が必要なのか――。それを脳の育ちとあわせてお伝えしているのが本書です。
脳の育ちと自己肯定感の育ちは関係しています。子どもの脳を正しく育てていけば、じつはことさら自己肯定感を意識しなくても、子どもは本物の自己肯定感が育った、賢くて、生きる力のある人に成長していきます。
そのためには親御さんたちにもちょっと頑張っていただかなくてはいけませんが、頑張った分だけ、子どもは大きなものを返してくれます。
それを楽しみに、子どもの脳育てと自己肯定感育てをしてみてください。 (「はじめに」より)
著者:成田奈緒子
縦:25.7×横:18.2 全頁数:216ページ
重量254g厚さ1.5cm
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