認知症を予防する!「ひと筆書き」ドリル100
認知症を予防する!「ひと筆書き」ドリル100
■ひと筆書きという「意識動作」が認知機能の活性化に効く!
──“コンシャスネス・ライティング”のすすめ
みなさんは、「意識動作」と「無意識動作」という言葉をご存じでしょうか?
例えば歩いているとき、目の前に障害物があったとします。私たちは当然それを避けて歩きますが、これが意識動作です。一方、障害物などがない安全な歩行では、そのほとんどが無意識動作です。また、一度覚えてしまった文字や熟語を書くのは無意識動作ですが、それらを初めて覚えようとしているときは意識動作です。
人間は、無意識動作時には大脳基底核などを使用し、意識動作では前頭葉などが活性化していることがわかっています。つまり、意識動作と無意識動作では、作用している脳の部位が異なるのです。
人間の脳は意識動作によって学習した動作を無意識動作に変換することで、脳のエネルギー使用を節約しようとします。この機能自体はすばらしいことで、その証拠に、いったん覚えた字の書き順は、特に意識しなくても書けるわけです。
しかし、毎日の動作が無意識動作だけになると、脳の認知機能は徐々に低活性状態となり、認知症発症のリスクが高くなる可能性があります。脳を常に刺激するには、毎日の動作の中に意識動作をとり入れることが大切です。
ひと筆書きは、意識動作にとても適しています。ひと筆書きにはさらに、手を巧みに使うというメリットもあります。手は感覚神経がもっとも密(敏感)であるだけではなく、指も緻密な動作ができるようになっているので、脳で作用する領域が、大脳皮質の感覚領域と運動領域といった大変広い範囲を占めています。近年は、コンシャスネス・ライティング(意識的に書くこと)の大切さが注目を集めており、ひと筆書きはまさに、コンシャスネス・ライティングにうってつけのものです。
偉大な哲学者・カントは、手のことを「外なる脳である」と言っています。さあ、みなさんも今日から毎日、「外なる脳」を意識的に使い、脳の認知機能を常にリニューアルして、認知症を予防していきましょう。 (「監修のことば」より)
著者:監修:佐古田三郎
縦:25.7×横:18.2 全頁数:80ページ
重量184g厚さ0.7cm
100 個の在庫があります
受け取り可能状況を読み込めませんでした