自分で考えて生きる力が育つ12歳までのモンテッソーリ子育て
自分で考えて生きる力が育つ12歳までのモンテッソーリ子育て
私たちの活動をより多くの方に知っていただきたいという思いから、本書のタイトルには「子育て」という表現を用いていますが、モンテッソーリ教育の世界では、「子育て」以上に「子育ち」という表現を大切にします。なぜなら、子どもは自ら育つ力をもっているからです。大人の関わりも大切ですが、主体はあくまで子ども。ですから、「子育て」より「子育ち」のほうが、子ども本来の姿に合っている言葉なのです。
ただし、子どもが自ら育つ力を発揮していくためには、大人の手助けはやはり大事です。子どもの発達に応じて、そのときやりたいことを存分にできる環境を整えたり、ぴったりの活動を提案したりしていく必要があります。
大人が子どもに合わせて、適切に手助けしていくにはどうしたら良いか、それを常に考え、「子どもが主人公」の教育を実践しているのが、モンテッソーリ教育です。
私は現在、東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター付属の「聖アンナこどもの家」の副園長として、日々60余名の子どもたちと共に過ごしています。聖アンナこどもの家では、日本国内ではまだ数少ない、小学生向けのモンテッソーリ教室も開いています。
この本では、「こどもの家」の幼児や小学生が実際に取り組んでいる活動を、家庭でも実践しやすいものを中心に、具体的にご紹介しています。どれも園の子どもたちが夢中になる、大好きな活動ばかりです。みなさんのお子さんが気に入る活動も、きっとあるのではないかと思います。
モンテッソーリ教育って、なんだか難しそう……、そう感じている方もいるでしょう。たしかに、専門的な教育を受けた教師がやるような本格的な活動を、家庭で再現するのは難しいかもしれません。でも、モンテッソーリ教育の始祖であるマリア・モンテッソーリの子ども観や、彼女の残したアプローチの中には、子どもをもつ親にとって役に立つことがたくさんあります。
モンテッソーリ教育は教える側の負担が大きくて大変、という印象もあるかもしれませんが、モンテッソーリの子どもの見方を知ることで、おうちの方はむしろ楽になり、子どもと過ごすことがもっと楽しくなるのではないかと、私は思っています。
モンテッソーリ教育の理論と実践法は膨大なもので、とても1冊の本では紹介しきれませんが、本書ではその中から、お母さんやお父さんに特に知っておいてほしいポイントを抜き出し、わかりやすくお伝えするように努めました。
また、モンテッソーリ教育においては乳幼児期の働きかけが重要とされていますが、学童期もまた大事な学びの時期です。国内ではまだ情報が少ない、小学生の子ども向けの活動を紹介しているのも、この本の特長です。
モンテッソーリ教育の実践を続けている私にとっては、子どもたちが喜んで活動する姿を見ることが、なんといってもいちばんの幸せです。0歳から12歳の子をもつお母さん、お父さんにも、上手な手助けの仕方を知って、わが子が自らすすんで、喜んで学ぶ姿を見る幸せを、たくさん味わっていただきたいと思っています。そのために役立つモンテッソーリ女史の遺産、モンテッソーリ教育のエッセンスを、この本から吸収していただければ幸いです。 (「はじめに」より)
著者:野村 緑
縦:21×横:14.9 全頁数:200ページ
重量218g厚さ1.3cm
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