10秒の「股関節ストレッチ」でねこ背は治せる!
10秒の「股関節ストレッチ」でねこ背は治せる!
◆監修のことば
さいとう整形外科リウマチ科の院長斉藤究です。私は2011年の名古屋市名東区での開業以来、筋肉・筋膜と痛みの治療に取り組んできました。
これまで体の痛みで整形外科に受診されたことがある方も多いかと思います。レントゲンやMRIを撮影したけど、異常がないからと痛み止めと湿布をもらったこともあるでしょう。それでも痛みが治らなかった方もまた多いのではないでしょうか。
その理由は、痛みの原因の多くはレントゲンやMRIに描出される関節や椎間板の異常所見とは関係がなく、硬くなった筋肉とバランスを崩した関節の動きに問題があるからです。さらに、現時点では筋肉の診察を得意とする医師が少ないことも、痛みの原因が迷宮入りする要因となっています。
私自身、開業前の勤務医時代には変形性膝関節症や変形性股関節症といった、変形が痛みの原因となっている(と思っていた)関節を金属の人工関節に置換する手術を行っていました。一方、手術をするほどではない軽い変形であれば、痛み止めと湿布を処方するだけの診療に医師として疑問を持っていました。
しかし、今なら関節が少しくらい変形していても、まずは「伸びない筋肉」「短縮した筋肉」を探し、その筋肉に形成されたトリガーポイント(こりの親玉。押すと痛みが再現される場所)に注射をしたり、リハビリで筋肉のバランスを整えることで痛みの軽減を図ります。うまくいくと、それだけで痛みが取れてしまうことも稀ではありません。トリガーポイント治療を始めた当初は、患者さんの痛みが目の前で良くなっていくことに驚きながらも、毎日が学びの連続でした。そして、他院でレントゲンやMRIでヘルニアといわれた腰痛や関節痛も、硬くなった筋肉を柔らかくすることで関節の動きが改善し、痛みが減っていくことを毎日経験しています。
その中で何より大切なことは、筋肉が硬くなってしまわないように日々良い姿勢を保つこと、そして、しなやかに伸びる筋肉と柔軟な関節を維持する運動習慣だと痛感しています。
今回、藤本陽平先生がこの本のテーマとされた股関節周囲の筋肉は、骨盤の傾きを決定し、足と腰をつなぐ要です。股関節周囲の筋肉が硬くなると、腰痛や下肢痛の原因ともなり得ます。
ぜひ、この本のストレッチを毎日少しずつでも実践して、股関節を柔軟にし、痛みの出にくい、しなやかな体を手に入れてください。
◆はじめに
こんにちは。筋肉デザイナーの藤本陽平です。
皆さんは、自分の姿勢に自信がありますか?
この本を手に取ってくださったということは、多かれ少なかれ問題を感じていらっしゃるのではないでしょうか。
私は東京都内で、「ナチュラルムーブメント」というストレッチスタジオを運営しています。
ナチュラルムーブメントとは「自然な動き」のこと。人間に備わっている体本来の自然な動きを取り戻そう、という考えに基づいてつけた名前です。
人間の骨格や筋肉は本来、良い姿勢で動けるようにつくられています。しかし、日常生活の中でついついその姿勢が崩れることで骨格が歪んだり、使うべき筋肉が使われなくなったり、ということが起こります。すると、ますます体を動かしにくくなり、さらに悪い姿勢が染みついてしまいます。
その悪循環を断ちきるトレーニングを行うのが、私の仕事です。
その際、とくに重要視しているのが「股関節ストレッチ」です。
股関節ストレッチというと、「180度開脚」などの運動をイメージされるかもしれませんね。
しかし実は、股関節は日常の何気ない動作にも欠かせない役割を果たしています。正しい姿勢をキープすることにも、股関節が深くかかわっています。
読者の皆さんは、この本のタイトル『10秒の「股関節ストレッチ」でねこ背は治せる!』を見て、「なぜ股関節とねこ背が関係あるの?」と思われたでしょう。
そのメカニズムは、ごく簡単にいうと、「股関節が硬くなると、骨盤を正しい位置に保てなくなる」「骨盤を正しい位置に保てないと、上半身をまっすぐにキープできなくなる」からです。
それを解決する方法を、この本でお教えしましょう。
紹介するトレーニングは、いずれも簡単なものばかり。体力や時間に合わせて、取り組みやすいものだけを選んで行うこともできます。少しずつ、筋肉と意識を変えていくことで、確実に姿勢が改善できます。
姿勢が変わると、見た目も体調も気分も良くなります。
その快適さを、ぜひ味わっていただきたいと思います。
著者:藤本陽平
縦:14.8×横:21 全頁数:128ページ
重量338g厚さ0.8cm
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