0～3歳 赤ちゃんからの楽しい「育脳」あそび

待ちに待った赤ちゃんの誕生に歓喜したのもつかの間、寝ているだけのただかわいい時期はアッという間に過ぎて、大きな声で泣くようになることで睡眠不足になったり、動ける範囲が広がることでお母さんやお父さんの休む間がなくなったりして、子育てを「大変だ」と感じる機会が増えてくるでしょう。
しかし、子どもの発育・発達は途切れることなく、確実に成長していきます。大変だと感じる一つひとつの出来事も、今しか経験できません。あとになれば「大変だったけれど、とても幸せな時間だった」と実感する日が、必ず訪れます。

この本を読んでいただいている方には、目に見える部分の成長だけでなく、目には見えない脳や神経の成長も意識して、子育てを楽しんでいただきたいと思います。赤ちゃんの１日は大人の１カ月にも近いくらい、たくさんのことを学ぶことができる濃密な時間です。「もっと○○してあげればよかった……」とあとで思っても、時間を戻すことはできません。今しかできないことがたくさんあります。

子どもがまだ小さいときは、親はどんな些細なことでもほめるものです。しかし、子どもが大きくなるにつれ、いつしか「できないこと」にばかり目を向けてしまいがちになります。特に４歳を過ぎる頃にはその傾向が強くなり、大人のペースに子どもを合わせようとしてしまいがちです。でも、私たち大人でも、できないことを指摘されるより、できる部分をほめて伸ばしてもらったほうが、「もっとがんばろう！」と思うはずです。

子どもは、ママとパパが大好きです。ママとパパが喜んでくれること、ほめてくれることに、どんどん取り組むようになります。その結果、さまざまなことができるようになり、社会に出ていくための力を身につけていきます。学力や運動能力、人間関係の基礎は、赤ちゃんの時期から確実に培われていきます。その基礎をしっかりと身につけるため、発達段階に合わせたあそびを通した関わりで、子どもの「脳力」と「能力」を伸ばしてあげましょう。

大切なのは、バランスよく伸ばすこと。大人の価値観だけで、子どもに無理矢理やらせるのではなく、親子で楽しみながら、さまざまな力をバランスよく伸ばしてあげることが、子どもの将来の可能性を大きく広げます。
今しかない大切な時間を楽しみながら、子どもの成長を噛みしめてください。この本が、その一助となれば幸いです。 （「はじめに」より）

著者：監修：栁澤弘樹
縦：25.7×横：18.2 全頁数：96ページ
重量288g厚さ1cm