脳科学からみた8歳までの子どもの脳にやっていいこと 悪いこと
脳科学からみた8歳までの子どもの脳にやっていいこと 悪いこと
子育ては脳育て――そう言い続けて早15年近くになります。
小児科医として勉強し、研究してきた私自身が、実際に自分の子育てを行なう中で、「子育てはまさに脳育て!」ということを強く実感してきたからです。
脳が育つから首がすわり、脳が育つからはいはいをする。
脳が育つから離乳食が始まり、脳が育つから言葉を話しはじめる……。
そう考えていけば、一般的に脳の機能として理解される「お勉強」や「スポーツ」は、この基本的な脳の育ちの延長上にあることがよくわかります。
人間として大切だと誰もが思う、「思いやりのある子」「自分でがんばれる子」といった高度な心の機能は、この脳の育ちの終着点だと考えられるのです。
つまり、子育てとはまさに、生まれてから約18年間の流れに沿って行なう、脳を「順序よく、バランスよく」育てていく作業であるのです。
でも、考えてみればこの脳育て=子育ての作業とは、古代より脈々と受け継がれてきて、誰でも行なっている単純なものです。
それなのに、今、小児科医である私のもとを訪れる方たちは、なぜかこの作業に失敗した人ばかりです。脳育ての正しい順序やバランスのとり方を知らなかったために、思春期前後になって子どもの脳がうまく働かない症状、すなわち学習がうまくいかない、社会的に問題がある、意欲が湧かない、心身に不調がある……等々、“困った状態”になって駆け込んでくる人が多いのです。
青少年が引き起こす理不尽な殺傷事件やストーカー行為、家庭内暴力、非行……、毎日のニュースをにぎわせるこれらの深刻な問題も、「脳の育てまちがい」として説明がつくことが多いと私は考えています。
なぜ、こんなことが起こるのでしょう?
私は、実に多様な「子育て情報」が、ネットワークに無責任に流布していることが原因の1つなのでは? と思います。真剣に子育てを考える親ほど、多くの情報に耳を傾けてしまうでしょう。そして挙句の果てに情報に振り回され、道を見失い、結果として子どもの脳の育てまちがいを引き起こしてしまうのかもしれません。
そんな危険な状態に陥らないよう、本当に正しい「小児科学の常識」を学んでいただき、ごくシンプルな方法で楽しく脳育てを皆さんに実践していただきたいと思い、本書を執筆しました。
キーワードは「生活」です。
毎日家庭で繰り返し行なわれる生活の中にこそ、大切な脳育ての要素が満載です! ぜひ、一緒に学んでくださいね。 (「はじめに」より)
著者:成田奈緒子
縦:25.7×横:18.3 全頁数:200ページ
重量320g厚さ1.3cm
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