運動できる子、できない子は6歳までに決まる!
運動できる子、できない子は6歳までに決まる!
みなさん、はじめまして。
私は現在、スポーツトレーナーとして2つの仕事をしています。
ひとつはジュニア・アスリートの育成で、フリースタイルスキーの一種目であるモーグル競技のジュニアチームを指導しています。もうひとつが一般の子どもたちの運動能力向上を目指した運動教室の運営です。
日々、大勢の子どもたちと運動・スポーツを通して関わっていて、近年、ちょっと気になることが出てきました。子どもたちの運動意欲が落ちてきているのではないかということです。
小学校の体育の授業を見学していると、しばしばその傾向を実感します。何かと話題にのぼる子どもたちの体力や運動能力低下の問題も、意欲低下と無縁ではないかもしれません。
共働きの家庭が増え、親子で外遊びする機会が減少している、少子化が進んで子どもたちが集まって遊ぶことも減っている、子どもの遊びがゲームなどのインドアになってきているなど、運動に興味のない子が出てきている背景には、いろいろな原因が考えられます。
そのいっぽうで「子どもには運動できる子になってほしい」「学校の体育でイヤな思いをさせたらかわいそう」は、昔も今も変わらない親御さんたちの思いです。みなさんの中にもきっと、そんな思いでこの本を手にとってくださっている方が多いことでしょう。
身体を動かすこと、運動遊びをすることと、子どもたちの距離が離れる傾向にある現代は、とくに意識して、小さいうちから楽しく身体を動かす体験をたくさんさせていく必要があります。
運動できる子、運動好きな子にしていくためには、幼児期からの運動体験がとても大切です。本来子どもは身体を動かすことが大好きですから、小さいうちからちゃんと身体を動かしていれば、どの子も運動好きになっていくはずです。
「学校の体育でイヤな思いをしないように」という親御さんの心配も、それによって解決できます。
体育種目がうまくできずに、体育の授業そのものが苦痛になる子どもが増えていますが、幼児期に室内外で思いきり運動をさせることで、小学校でのマット運動、なわとび、鉄棒、跳び箱といった基本的な体育種目は、適度に反復練習すればできるようになっていくからです。
運動と言うと、スポーツ教室に通わせることを思い浮かべる方も多いとは思いますが、育児の中でできることは十分にあります。
室内や家のまわり、近所の公園で遊ぶことでも運動能力を大いに伸ばすことは可能ですし、遊びを通しての親子の関わりは、子どもの心の成長に欠かせない親子のコミュニケーションの機会にもしていただけることでしょう。
本書には、子どもの運動能力や運動スキルをどうやって高めていってあげたらよいかを中心として、単なる能力やスキルの向上に留まらず、運動を通して子どもの心や知性を育んでいっていただきたいという私なりの思いも込めています。
「運動できる子にしたい」=運動テストの数値や結果を向上させたい、で終わってしまってはもったいない。
この本を読み終わったとき、「運動ができるようにしてあげたい」という親ならではの気持ちをもって子どもと関わることが、わが子の心身の成長そのものにつながっていくことに気づいていただけたら、スポーツトレーナーとして、また2人の子どもの父親として、大変うれしく思います。 (「はじめに」より)
著者:遠山健太
縦:25.7×横:18.3 全頁数:160ページ
重量288g厚さ1cm
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