ちゃんと集中できる子の脳は10歳までに決まる
ちゃんと集中できる子の脳は10歳までに決まる
集中力を高めると素晴らしいパフォーマンスにつながります。勉強であれば思った以上にはかどり、スポーツであれば劇的な勝ち方ができます。
「子どもを集中力のある子にしたい」と皆さんが思っているのも、それがあればもっと勉強のできる子になる、いろいろな場面で頑張って結果が出せる子になる、ひいては大人になったとき社会で活躍できるし、幸せな人生を自らつくり出せる人になるだろう――と考えているからではないでしょうか?
集中力が素晴らしい才能発揮の原動力になることは言うまでもありません。
しかし「集中力」とひと口に言ってはいるものの、それがどのようなメカニズムで生み出されるのか、集中力とは一体何かについては、知らない人のほうがほとんどです。
私はこれまで、オリンピック選手や若手のオリンピック候補選手に向けて、勝負脳を鍛えるための脳科学的な戦略を紹介してきました。その結果、実力を伸ばすだけではなく、試合にも強くなってたくさんの選手がメダルを獲得しました。
戦略の中には、集中力を発揮する方法も含まれています。そこでは選手たちからいろいろな質問を受けました。
また、アスリートだけではなく、普通の学生や受験生たちからも集中力に関する問いが数多く寄せられてきます。
「集中力を高める訓練法はあるのですか?」
「緊張と集中力を高めることは違うのですか? 緊張を集中力に変えられますか?」
「試験会場に入ると、みんな頭がよさそうに見えてイマイチ集中できなくなります。どうしたら集中できますか?」
「お母さんから勉強しなさい! と言われると集中して勉強できません。どうしてですか?」
「勉強したほうがいいとわかっていても、どうしても集中する気力が上がってこない場合はどうしたらいいですか?」
「苦手な科目ほど集中できないのはどうしてですか?」
「勉強する場所が変わると集中できません。どうしたらよいか教えてください!」
これらは、親である皆さんも知りたいことではないでしょうか。
この本は、皆さんが知りたいさまざまな質問にお答えしていくと同時に、お子さんを集中力のある子にしていくための方法について書きました。
集中力とは何か、脳のどんなメカニズムが関係しているのかといった集中力の正体について、それから集中力のある子にするにはどんな育て方が大切か、親として育んでやりたい集中力の素とは一体何かについて、脳科学の側面から理解していくことで、「うちの子は集中力がなくて……」という悩みにお応えできるのではないかと思っています。
「集中力」をどのように発揮するかはとても大切なテーマです。しかし集中力の正体がわからなければ、本当の意味で集中力をつけていくことも、ここぞというときに存分に発揮することもできません。
人間の気持ちに深く関わる「集中力」については、実はこれまで脳科学的なアプローチで述べられてきたことはありません。
本書の新しい試みが、子どもの隠れた才能を伸ばし、お子さんたちの人生を豊かにすることに少しでも貢献できればうれしく思います。 (「はじめに」より)
著者:林 成之
縦:21×横:21 全頁数:200ページ
重量220g厚さ1.3cm
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