お祝い・お悔やみ・特別な日のマナー
お祝い・お悔やみ・特別な日のマナー
小学校に講演に呼ばれたときに、驚いたことがあります。
校長先生が、壇上に上がってお辞儀をしました。当然父母のかたもお辞儀をすると思っていましたが、何人かのかたは頭を下げたものの、多くのかたは反応がありませんでした。子どもがお世話になっている学校の校長先生が挨拶しているのに、挨拶をしないなんて。すっかりお客様気分になってしまっているようでした。
公開授業を見学すると、廊下でお母さん同士がおしゃべりをしていました。せっかく学校に来たのに、どうして教室に入って先生や子どもの様子を見ないのか、不思議でした。「自由や個を大切に」などといわれますが、「自分さえよければいい」という利己主義と勘違いしている人が増えているのではないでしょうか。
その結果、人は他人に無関心になっています。愛の反対は無関心です。
そして愛とは、「私がこのかただったら、どのように接したら不快に思うだろう。そして喜ぶだろうか」と考える思いやりの心です。自分を大切にするように他人を大切にする心です。思いやりの心は、想像力や共感力を鍛えるともいいます。
たとえば、公共の場所でトイレを使用したとき、ペーパーを使い終わったとしましょう。あなたはどうしますか。想像力のあるかただったら、新しいペーパーを取りつけて出られると思います。知り合いには気を遣うけれども見知らぬ人には無関心ということがあるかもしれませんが、見知らぬ人との間でも、自分を大切にするように人も大切にする気持ちを忘れないでいたいものです。基本的には、人間関係を大切にすればするほど、相手からも大切にされます。
子どもは親の鏡です。家族やご近所の間で、親が挨拶を笑顔でしていたら、子どもも笑顔で挨拶します。親が「ありがとう」をきちんと家族のなかで言っていたら、子どもも「ありがとう」を言える子どもになります。口やかましくしつける必要はありません。忍耐がいりますが、自分の子どもを信じてください。
お付き合いのなかで思いやりの気持ちをより発揮していただくために、そして日常生活をより豊かなものにするためにも、是非本書をご活用いただけたらと思います。 (「はじめに」より)
著者:岩下宣子
縦:18.8×横:12.8 全頁数:120ページ
重量222g厚さ0.9cm
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