自然治癒力を引き出す 子どもの「食養生」レシピ
自然治癒力を引き出す 子どもの「食養生」レシピ
私が小児科医になってそろそろ30年、子育てと同時進行で仕事を続け、今ではわが子もみな成人しました。昔診察した子どもたちも、もう親世代です。2世代にわたり子どもたちを見てきて感じるのは、子どもたちのからだが明らかに弱くなってきているということです。
ここ数十年の間に、子どものアレルギー疾患(とくに食物アレルギーや低年齢の花粉症)が増え、小児生活習慣病といわれる子どもが見られるようになりました。また、風邪をひきやすく、すぐに治らず咳が長引いたり、喘息気味になったりする子も多く見かけます。
「今の子どもたちのからだ、このままで大丈夫かな?」と、本気で考えることがあります。
一方、クリニックに子どもを連れてくるお母さん方から、「子どもの健康のために、どんな食事を作ってあげればいいのでしょうか?」といった質問をよく受けます。出産を機に、「子どもにはなるべくナチュラルなものを食べさせてあげたい」「子どもの成長をうながすようなバランスのよい食事を作ってあげたい」と考えるお母さん方も多くおられます。
けれども現実には、仕事との両立で手間ひまかけて料理する時間がとれなかったり、栄養の知識がなくて食事作りに自信がもてなかったりという理由で、行動に移せていない方が多いようです。
実は、私の子どもも食物アレルギーでした。お乳を飲むたびに顔が真っ赤になり、口まわりや頬から全身に湿疹が広がりました。そこで治療のため、母乳を与えている自分の食事を変えてみました。すると、1カ月ほどでわが子の湿疹はあっという問にきれいになり出なくなったのです。そのとき、食べ物の重要性を痛感しました。
開業後は、小児科医としてアレルギーをもつ子どもの食事指導をするようになりました。子どものために、お母さんの食事も変えてもらいます。すると、お母さんまで健康になります。疲れにくくなり、便秘が改善し、花粉症の症状が軽くなります。アトピー性皮膚炎や喘息、花粉症の子どもたちは、たとえ食物アレルギーをもたない子でも、食事に気をつけると症状が軽くなります。そうした子どもたちは風邪もひきにくくなるのです。
食べ物が変わると、からだが変わります。そのときの状態に合った食べ方をすることで、からだが楽になり、その結果、免疫力が高まるのだと考えられます。
風邪をひきやすい、便秘がち、胃腸虚弱、肥満傾向、軽度のアレルギー疾患など、子どもの調子がなんだかおかしいと感じたときは、毎日の食事にほんの少し気をつけてみていただきたいのです。
本書で、栄養士の榊先生と一緒に、子どもたちのからだの状態に合わせた食事を考えてみました。手間をかけすぎることなく、ふだんの食事に加えていただける栄養バランスがとりやすいレシピを紹介しています。日々の献立に、ぜひ活かしてみてください。 相澤芙美子 (「はじめに」より)
著者:相澤扶美子/榊 玲里(榊 注:表紙に合わせる 示すへんの神✕→神〇)
縦:21.5×横:19 全頁数:96ページ
重量220g厚さ0.8cm
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