お母さんのガミガミが子どもをダメにする
お母さんのガミガミが子どもをダメにする
岩本葉菜子さんは2児のお母さんです。
優しいお母さんを目指して母親講座に通っていますが、それでも、たまにイライラして怒ってしまいます。ある晩、ちょっと気になって2人の息子たちに教えてもらいました。
「お母さんが怒ると、どんな気持ちになるの?」
小学2年生の長男孝クンが教えてくれました。
「心がながーく伸びているのに、ピューンって縮まっちゃうの……。心がピカピカ光っていたのに、一瞬、消えちゃって、まっ暗になるの……」
また、保育園の年長の次男保クンが教えてくれました。
「フラフラになって、ガクーンってなって、泣いちゃって、お母さんをたたきたくなるんだ」
「お母さんが、毎日怒ってばかりいたら?」
「ボクたち、病気になっちゃうよ!」
お口を揃えて言いました。
「お母さんが謝ると、どんな気持ちになるの?」
長男クンは「お母さん、悲しそうだから、かわいそうと思う」
次男クンは「ニコッとなって、チュッして、顔が笑って、それでおしまい」
2人仲よく教えてくれました。
今では、孝クンも保クンも目が輝いています。どんなに忙しくても2人が話しかけてきたときは、お母さんは家事よりも孝クンと保クンの気持ちを優先して、ちっちゃな目に優しい目を合わせ、「そう、偉いわ」「そうだったの」と相づちをうって、熱心に聞いています。
以前のように「お母さんは忙しいから早く言いなさい」とせかせたり「あなたが言いたいことは、つまりこういうことでしょう」と先回りして言ったりしなくなったのです。
困ったときはいつでもお父さんとお母さんが助けてくれる、味方になってくれると信じています。それを支えに2人の子どもたちは自分の道を自分の足で、しかも、安心して歩いています。
孝クンはお母さんに言われなくても自分で宿題をやり、翌日の学校の準備もちゃんとしています。テストもほとんど95点以上で、サッカーに夢中です。自分はなんでもできると信じるようになりました。
お母さんを恐れ、顔色をうかがいながら頑張っていた、あのころの手のかからない子ではなく、自発的にやる子になったから安心なのです。
「あんなに苦しくて、いやだった子育てがこんなに楽しいこととは思いませんでした。孝も保もとても可愛くなりました」と、岩本葉菜子さんは目を細めて話されました。
この「子育てが楽しくなった」というひと言で、私のやっている母親講座が間違っていなかったという強い自信を、私は改めて得ることができました。
私の長年の経験から、子育てが楽しいと思うようになったお母さんに育てられると、どんな子でもみるみるうちに素晴らしい子に変わるから不思議です。
その楽しさを本書によって、きっと読者の皆さんに味わっていただけるものと信じています。 (「はじめに」より)
著者:山崎房一
縦:18×横:12.8 全頁数:208ページ厚さ1.4cm
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